イランへの旅 1997年冬
1997年ゴールデンウィークのシリア・ヨルダン旅行の成功に味を占めた僕は、同じ年の年末に、こんどはイランへのひとり旅を計画しました。トルコに行き、アラブ(シリア・ヨルダン)に行ったんだから、次はペルシア(イラン)でしょ!みたいなノリです。まあ中東の主要3民族とでも申しましょうか、おのおのの文化圏を見て中東世界全体をまずは把握したいと思ったわけです。
当時、イランへは日本からイラン航空の直行便が週2便(火曜日と金曜日)飛んでいました。それに乗ってしまえばテヘランまで一本で行けちゃうわけです。便利でしょ!?さっそくイラン航空の往復チケットを予約しました。
あとはヴィザ、これがちょっと高くて旅行会社に委託して4万円。シリアが確か4000円、ヨルダンが確か6000円ぐらいだったので破格の高値ですね。まあ入国できなきゃしょうが無いので仕方がありません。
一般論はこれぐらいにして、僕が東部を訪れた真の理由は先に述べたように「ヤコブ派(シリア正教)の世界に触れてみたい」という知的好奇心からでした。ぼくのこれまでの研究からヤコブ派が現トルコのディヤルバクル周辺に昔から多く住んできて、また今でも若干の人たちが残っていることはつきとめていました。ただ具体的なこととなると、日本にいる限り知ることには限界がありました。卒論を通してヤコブ派を調べていくうちに、これは是非ホンモノに触れてみたいという欲求が沸いてくるのもごく自然なことでした。
ではどのような旅であったのか、具体的に話していきましょう。まず日程は以下の通り。
4月27日(金) 成田 ==> ホンコン ==> バンコク ==> マスカット ==> バーレーン(宿泊)
4月28日(土) バーレーン ==> イスタンブル ==> ディヤルバクル ==> マルディン(宿泊)
4月29日(日) マルディン(宿泊)(ザファラン修道院)
4月30日(月) マルディン ==> ミディヤト(宿泊)
5月 1日(火) ミディヤト ==> 聖ガブリエル修道院 ==> ミディヤト ==> マルディン
==> シャンルウルファ(宿泊)
5月 2日(水) シャンルウルファ ==> ディヤルバクル(宿泊)
5月 3日(木) ディヤルバクル(宿泊)
5月 4日(金) ディヤルバクル ==> イスタンブル ==> バーレーン ==> バンコク
5月 5日(土) ==> ホンコン ==> 成田
とにかく行き帰りの飛行機は大変だった。乗り換えが多くて・・・。トルコ航空の直行便を取りたかったんだけど、ゴールデンウィーク中には個人旅行者はまずトルコ航空のチケットを取れることはないですね。だいたい団体に押さえられてしまいますから・・・。そのため
キャセイパシフィックでホンコンまで行き、ホンコンからガルフエアー(アラブ首長国の航空会社)を使ったのでした。ちなみに去年のレバノン・シリア旅行もガルフエアーで同じように乗り継いで行きました。
さてイスタンブルでトルコに入国し、そこからさらにトルコ航空の国内線で一気に東部の町ディヤルバクルへ。
ディヤルバクル周辺の地図は以下の通り。
さてどのようにこの旅を語っていこうかと思うのだが、2つの方法を取ろうと思う。
ひとつは日程を順に追って記述するもの、そしてもう一つは訪れた場所ごとに説明を加えていくもの。
1)順を追って旅を振り返っていくのはこちら。=>旅行記(編年体)
2)訪れた場所ごとに見ていく場合はこちら。 =>訪問記(百科全書的)
3)写真集