エジプトへの旅

2001年初夏

 

今回の旅の目的は非常にはっきりしていました。

「シリア正教(ヤコブ派)の世界を見る」、それが今回の旅のメインテーマ。

なぜシリア正教なのか、それは卒論のページを見てください。旅をしたのは以下の地図で示した地域です。

 地図の通り、今回の旅ではトルコの東の端を訪れました。このあたりはいわゆる一般的に「トルコ」から連想されるのイメージとはだいぶ異なった雰囲気がある地域です。「トルコ」と言っても広いわけで、有名なイスタンブルやカッパドキア、エフェスといった観光地は中部アナトリアから西の地域に多くあります。つまり観光客の多くは中央から西の地域を訪れます。東の方はトルコの中でも非常にマイナーな地域です。市販のガイドブックを見るとよくわかりますが、カッパドキアから西やイスタンブル、地中海周辺についての記述が多くあっても、東部地域の記述はずっと少ないのです。

 東部がマイナーであるのにはそれなりに理由があるのも確かです。その理由とは第1には派手な遺跡が少ないこと、そして第2にはクルド人問題などで治安が安定していなかったことが挙げられます。しかし、それ故に東部には観光地にはない素朴さがあったり、西部とは違った他民族地域の雰囲気を感じることが出来るのです。

 なお一般的なトルコ情報を知りたい方はこちらのリンクを参照して下さい。 ==> リンク

一般論はこれぐらいにして、僕が東部を訪れた真の理由は先に述べたように「ヤコブ派(シリア正教)の世界に触れてみたい」という知的好奇心からでした。ぼくのこれまでの研究からヤコブ派が現トルコのディヤルバクル周辺に昔から多く住んできて、また今でも若干の人たちが残っていることはつきとめていました。ただ具体的なこととなると、日本にいる限り知ることには限界がありました。卒論を通してヤコブ派を調べていくうちに、これは是非ホンモノに触れてみたいという欲求が沸いてくるのもごく自然なことでした。

ではどのような旅であったのか、具体的に話していきましょう。まず日程は以下の通り。

 

4月27日(金) 成田 ==> ホンコン ==> バンコク ==> マスカット ==> バーレーン(宿泊)

4月28日(土) バーレーン ==> イスタンブル ==> ディヤルバクル ==> マルディン(宿泊)

4月29日(日) マルディン(宿泊)(ザファラン修道院)

4月30日(月) マルディン ==> ミディヤト(宿泊)

5月 1日(火) ミディヤト ==> 聖ガブリエル修道院 ==> ミディヤト ==> マルディン 

        ==> シャンルウルファ(宿泊)

5月 2日(水) シャンルウルファ ==> ディヤルバクル(宿泊)

5月 3日(木) ディヤルバクル(宿泊)

5月 4日(金) ディヤルバクル ==> イスタンブル ==> バーレーン ==> バンコク

5月 5日(土) ==> ホンコン ==> 成田

 

とにかく行き帰りの飛行機は大変だった。乗り換えが多くて・・・。トルコ航空の直行便を取りたかったんだけど、ゴールデンウィーク中には個人旅行者はまずトルコ航空のチケットを取れることはないですね。だいたい団体に押さえられてしまいますから・・・。そのため

キャセイパシフィックでホンコンまで行き、ホンコンからガルフエアー(アラブ首長国の航空会社)を使ったのでした。ちなみに去年のレバノン・シリア旅行もガルフエアーで同じように乗り継いで行きました。

 

さてイスタンブルでトルコに入国し、そこからさらにトルコ航空の国内線で一気に東部の町ディヤルバクルへ。

ディヤルバクル周辺の地図は以下の通り。

 

さてどのようにこの旅を語っていこうかと思うのだが、2つの方法を取ろうと思う。

ひとつは日程を順に追って記述するもの、そしてもう一つは訪れた場所ごとに説明を加えていくもの。

 

1)順を追って旅を振り返っていくのはこちら。=>旅行記(編年体)

 

2)訪れた場所ごとに見ていく場合はこちら。 =>訪問記(百科全書的)

 

3)写真集