ロバのティールーム >> ロバのコラム目次<時系列> >> ロバのコラム_2002/09/30

バックパッカーという生き方(1) 2002年9月30日(月)

 

 平塚在住の友人洋一くんのお誘いで、彼の友人でフランス人バックパッカーのステファンと3人で会うことになった。

 洋一くんは僕のホームページではたびたび登場しているけど、96年のルーマニア旅行の時にブラショフという名の地方都市で出会ったバックパッカーである。彼のライフスタイルは日本で働いてある程度お金が貯まると長期旅行(1ヶ月から半年ぐらい)に出かけるというもので、このような生活をもう10年来続けている。そんな彼だからいろんなところでいろんな国の人たちと知り合うわけで、ステファンもその中のひとり。ステファンとは今年の初めにケニアでサファリをした際に、同じツアーで一週間寝食を共にしたらしい。

 ステファンは1年半前に母国フランスを旅立って、まだ旅を続けている。アフリカ東部を中心に旅をしていたようだが、この度タイ経由で日本にやって来た。1年半もの間旅をしつづける、僕にはとても出来そうにないが、それほど珍しい話ではない。欧米人の旅行者では割と良く聞く話だし、中東あたりを旅していると時々それぐらいの期間帰っていないという日本人旅行者に会うこともある。

 3人でカフェにて今までの旅行の話やフランスでしていた仕事の話などをして過ごした。そして旅の資金の話になって、なかなか面白い話を聞いた。それはすなわち、彼はいま日本でサッカーのTシャツを売って旅の資金を稼いでいるというのである。そしてこの後、その仕事上のパートナーであるフランス人と会わなければならないという。面白そうなので、洋一くんと僕はステファンについていくことにする。

 山手線を原宿で降り、表参道の交差点裏にあるスターバックスに向かう。このスターバックスはインターネットカフェになっていて、あやしげな外人たちの溜まり場となっている。表参道なんて僕には縁もゆかりもない土地なので何年かぶりの訪問だが、その変容ぶりに驚いた。少なくとも前に訪れたときにはこんなに外人がわんさかいなかったし、町並みのこんなに日本離れしていなかった。今やヨーロッパのある街を歩いているような錯覚に陥る。ここでステファンはジミーというヒッピー風のフランス人と会った。ステファンとジミーが打ち合わせするのを洋一くんと僕はスタバのオープンカフェのパラソルの下で待つ。30分ほどして、二人のフランス人は戻ってきた。

 ジミーとステファンと洋一くんと僕の4人で飲みに行くことになる。ジミー、このフランス人はとんでもない男だった。彼は

母国のフランスを旅立って10年来、帰っていないらしい。筋金入りのバックパッカーだ。ここまで来ると旅は一時の夢ではなく、人生そのものであると言っていい。

 

明日のコラムにつづく。 >>> バックパッカーという生き方(2)