ロバのティールーム >> ロバのコラム目次<時系列> >> ロバのコラム_2001/02/12

歴史について(1) 2001年2月12日 月曜日 (曇り)

 

 ぼくは歴史が好きだ。という趣旨のことはこのコラムでも何度となく書いてきた。じゃ、なんで好きなんだろうか・・・?そんな問いを立ててみたりする。そうすると見えてくるのは世界の全てを知りたいというぼくの飽くなき欲求なのかもしれない。そう始原を知りたいという欲求。子供の頃、ぼくは今なんでここにいるのか?と何度も考えた。そして自分の意味を求め続け、考え続けた。その活動の延長線上に今のぼくがいる。自分の根拠を求める運動とはどんなものか?

 ぼくは地学が好きだ。なぜ好きなのかと考えを巡らすと、自分が生きている大地の始原を知りたいのだと思えるのだ。ぼくは化学が好きだ。化学はぼくを取り巻く物質を説明してくれる学問だから。ぼくは生物が好きである。なぜならぼくを取り巻く生命体の始まりを教えてくれるから。ぼくは地理が好きだ。なぜならぼくをとりまく世界を説明してくれるから。ぼくは哲学が好きである。なぜならぼくの存在の根拠を問うてくれるから。ぼくは歴史が好きである。なぜなら、ぼくとぼくの周りの人々の今までの営みを説明してくれるから。

 こうして見てくると、僕自身の存在意義を問う運動の一側面なのである。人間が乗っかってきた時間の河を遡り、やがて源頭部へと至る旅、それが歴史の探究なのだ。僕がいる。ぼくの原因は父と母。そのまた原因は祖父母たち。その上はひいおじいさんとひいおばあさん、その上は・・・。こうして原因を求める旅が始まるのだ。