ロバのティールーム >> ロバのコラム目次<時系列> >> ロバのコラム_2001/02/11

大学の通信課程(4)  2001年2月11日 日曜日(快晴)

 

 大学の通信課程は入学試験がない分、卒業が難しいらしい。なんでも慶応の通信教育部の場合はぼくが始めた年には「3%」と聞いていた。今は少し上がったらしいが、それでも10%には満たないようだ。しかし、それがいいのではないかと思っている。大学は勉強したものにだけに単位を与え、そして学位を与えればよい。そんな潔いシステムが好きだ。

 あ、言い忘れていたみたいだ。通信制はあくまでも単位絶対主義で在籍年数などは関係がない。長い間在籍すれば卒業できるというわけではない。足りない単位を先生のお情けで頂いて進級できる、といった通学課程でよく聞く話も皆無だ。ま、何年生という概念がそもそも存在しないのだから、進級もなにも関係ないのだ。

 通信制のシステムは以下のようになったいる。すなわち、まずテキストが自宅に郵送される。その中から自分のとりたい科目についてそのテキストを中心に、また他の文献等を参考にしつつ学習する。その科目の課題についてレポートを提出する。そして、その科目についての試験を受ける。レポートと試験についてそれぞれ合格すれば、晴れてその科目の単位を取得できる。以上がテキスト授業と呼ばれるもの。このほかに一定単位以上は対面授業を受けなければならない。これがいわゆるスクーリング。夏などに1週間程度、学校に通って授業を受ける。そして、授業の最終日にテストを受けて単位をもらう。この二つが通信制の屋台骨である。

 このシステムに貫かれているのは絶対的な実力主義である。このある意味シビアな状況が自分自身を鍛え上げていってくれるのである。また自分自身の意志で進めていかない限り、決して先へは進めない。やらないことで問いつめられることはないが、やらなければ決して前には進めない。自分自身の強い意志と学問に対する飽くなき欲求がない限りは、やはり続けていくのは難しいのかもしれない。それが卒業率に低さに現れているのだろう。