ロバのティールーム >> ロバのコラム目次<時系列> >> ロバのコラム_2001/02/09
大学の通信課程(3) 2001年2月9日 金曜日(晴れ)
ぼくが所属しているのは慶應義塾大学の通信教育部文学部第2類。慶応は通信課程の文学部を3つに分けているのだ。第2類は史学分野、第3類は文学、そして第1類は2つ以外の分野、すなわち哲学、心理学、社会学などをカバーする。しかし、3つの類の垣根はきわめて低い。文学部2類に所属していても必須科目があるわけではなく、ただ史学分野に属する科目を一定単位以上とればよいという自由度がある。しかもその史学分野に属する科目も卒業必要単位数の半分も満たない。つまり第2類で史学専攻の学生は史学関係の科目だけ履修したのでは卒業単位にみたないのである。このシステムが良い。必然的に史学を専門としている学生は史学以外の文学部科目を履修しなければならなくなる。そうすると、倫理学を履修したり、社会学を履修したり、アメリカ文学を履修するケースが出てくるのである。これが専門性に偏ってしまわないようにという大学側の配慮とも受け取れるのである(ただ単に教員数が不足なのかも知れないが、その辺は好意的に受け止めよう)。
実際、僕自身、このシステムの恩恵を受けたと思う。つまり、ただ歴史だけを研究する、というスタンスでいたらきっと視野が狭くなっていたと思うからだ。例えば歴史を見る眼を問い直すと言う意味で哲学が役に立ったり、時代時代の社会構造分析の道具として社会学の方法が参考になったり、ある時代の文学を知ってその時代の人々のありありとした考え方や感情を受け止めることが出来たり・・・。この世に全く不必要なものがないように、どんなものがどういう風な関係をもっているのかは一見しただけではわからない。様々なものに触れることによって、さまざまなヒントを見つけだし、それを自分自身の関心に如何に結びつけていくか、それが必要なんでしょうね。(明日につづく)